


第1回では、ドライクリーニングが衣類の形を崩しにくく、
皮脂などの油性汚れを落とすのが得意な一方で、
汗のような水溶性の汚れは苦手だという話を聞きました。
きりいでは、そうした汗汚れに対応するため「すっきり加工」を行っていますが、
それでもわずかに残るものがあると桐井社長はいいます。
第1回では、ドライクリーニングが衣類の形を崩しにくく、皮脂などの油性汚れを落とすのが得意な一方で、汗のような水溶性の汚れは苦手だという話を聞きました。
きりいでは、そうした汗汚れに対応するため「すっきり加工」を行っていますが、
それでもわずかに残るものがあると桐井社長はいいます。

汗を100%落とすために考えた
「スーパー水洗い」
では、その少し残ってしまう汗をどうするか、という話になってくるんですね。
そうです。
そこで、その残る汗まで取るにはどうすればいいのかと考えて取り組んだのが、「スーパー水洗い」です。
スーパー水洗いは、これまでのドライクリーニングや、すっきり加工とは何が違うんですか?
名前のとおり、水で洗います。
このスーパー水洗いの場合、汗は100%落とします。しかも「ドライクリーニングのみ」の表示の衣類にも対応できます。
「ドライクリーニングのみ」の衣類でも、ドライクリーニングが不得意とする汗汚れが100%落ちるって、聞いただけで気持ちがいいですね。
「スーパー水洗い」については次回以降でさらに深掘りするとして、前半から聞いていると、「ドライか水洗いか」という違いだけでも、汚れによって向き不向きがあることが分かってきました。
そうなると、クリーニング店の水洗いは、例えば家庭と比べてなにがどのように違うのでしょうか?
水洗いにもいろいろあります。
クリーニング店では、「ランドリー(ランドリークリーニング)」や「ウェットクリーニング」といった洗い方があるんです。
同じ水洗いでも違う?「ランドリー」と
「ウェットクリーニング」
「ランドリー」と「ウェットクリーニング」って、お客様にはあまり聞き慣れない言葉かもしれません。「そもそも区別なんてあるの?全部機械で、水洗いなんじゃないの?」みたいな。
そうですよね。
どちらも水を使って洗うんですが、洗い方や向いている衣類が違うんです。
同じ水洗いなのに分かれているんですね。
まず「ランドリー」というのは、どんな洗い方なんですか?
ランドリーは、ワイシャツやシーツ、白衣などを洗う方法です。
きりいでは、50℃以上の温水を使って、アルカリの力も利用しながら洗います。水の温度とアルカリの力を使って、汚れをしっかり落としていくんですね。
家庭で洗濯するときより、かなり温度を上げて洗うんですね。
そうですね。
ただ、温度も高く、アルカリも強くなるので、デリケートな衣類には向きません。
汚れを落とす力を高める分、どんな衣類でも同じように洗えるわけではない、と。
では「ウェットクリーニング」は
どう違う?
「ランドリー」では洗いにくい衣類の水洗いは、どうするんでしょう?
そこで出てくるのが、「ウェットクリーニング」です。
ウェットクリーニングも水を使いますが、ランドリーとは洗う条件が違います。
「ウェットクリーニング」という名前だけ聞くと、普通に水で洗うことと何が違うのか分かりにくいですね。
そうかもしれませんね。
ウェットクリーニングは、プロが衣類に合わせて行う水洗いです。
きりいでは、ポロシャツや綿のズボン、半ズボンといった一般衣料を水洗いするときにも、温度や洗剤などを考えながら洗っていきます。
ポロシャツや綿のズボンって、家庭でも普通に洗いますよね。
そういう衣類でも、クリーニング店で洗う意味があるんですか?
家でも洗える服を、プロが水洗いする意味
そこが、家庭の水洗いとプロの水洗いの違いなんです。
きりいの場合は、35℃から40℃くらいの中温で洗います。そこに天然洗剤や、洗浄を助ける助剤を組み合わせます。
さらに、使っている水も軟水です。
同じ「水と洗剤で洗う」でも、家庭洗いとは使う水や温度まで違うんですね。
そうです。
クリーニング店で洗う場合では、同じ水洗いでも「温度をどうするのか」「pHをどうするのか」「どんな洗剤や助剤を使うのか」そういう条件を組み合わせて洗っていきます。
「同じ水洗いなら家庭でできる」と思いがちですが、クリーニング店の水洗いはそもそも「同じ洗い」ではない、ということですね。
はい。私は、家庭の水洗いとプロの水洗いでは、洗いとして「次元が違う」と考えています。
それから、洗うところだけではありません。ワイシャツやシーツなどに使う糊も天然のものを使って仕上げまで含めて考えています。
洗うというのは、ただ水の中に入れて汚れを落とせば終わりではないんです。
柔らかければ、着心地がいい?
仕上げ、というと家庭の洗濯では柔らかく仕上げるために柔軟剤を使っている方も多いと思います。
柔らかくなるほど、着心地もよくなるようなイメージがありますが。
柔らかさだけで考えると、そう感じますよね。
ただ、柔軟剤を使うことで、生地が水を吸いにくくなることもあります。汗をかく季節であれば、生地が水を吸わずに肌に汗が残り、肌荒れにつながることもありますね。
ですから、柔らかさだけではなくて、季節も考慮して汗や水分をどう吸うのかまで考えた方がいい。
衣類の素材によっても違いますから、単純に「柔らかければ着心地がいい」とは言い切れないんです。
着たときの状態まで考えて洗う…クリーニング店の水洗いって複雑なんですね。
「何で洗うか」だけでは、
洗い方は分からない
そうなんです。
ランドリーなら、温度を上げてアルカリの力も使いながら、ワイシャツやシーツなどをしっかり洗う。
ウェットクリーニングなら、衣類に合わせて温度や洗剤などを調整しながら水で洗う。
家庭の水洗いでも、クリーニング店の水洗いでも、使っているのは同じ「水」です。でも、その水をどう使うかは違います。
前半では、ドライクリーニングにも「得意な汚れ」と「苦手な汚れ」があるという話でした。
そこからさらに見ていくと、水洗いの中にも種類があって、温度やpH、洗剤、水の質、さらに仕上げまで考えながら洗っている。
家庭洗いより、ずっと細かく洗い方を変えているんですね。
そうですね。
ドライにはドライの役割がありますし、水洗いにもそれぞれの役割があります。
大事なのは、「ドライだからいい」「水洗いだからいい」ということではありません。
その服と汚れに対して、どんな洗い方が合っているのか。そこを考えて洗うことが大切なんです。
ドライと水洗いだけでなく、水洗いだけでもこんなに違いがあったんですね。
まだまだ深掘りできそうな社長の「洗い」トーク、
次はどんなことが聞けるのでしょうか…!
次回もお楽しみに!
